世界に誇りたい「自利利他」の仏教精神 ~釈迦の説いた「3とおりの長者」とは(1)

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小さい頃、お金持ちになりたかったあなたへ

誰でも1度や2度は、「お金持ちになりたい!」って思ったことがあるんじゃないだろうか。
「長者番付」といったら、いわゆる「お金持ちランキング」だろう。

だがぼくらは、そんな番付を見たって、
「どうせ自分が長者になんかなれっこない」とアキラメたりしている。
お釈迦さまは、「長者にも、この世に3種類あるのだ」と教えられ、
仏教を聞けば、あなたも心に最高の宝を獲て、中でもいちばん幸せな
「心の長者」になるのだよ、と教えられている。

だから、今日から3回にわたって、 お釈迦さまの教えられた、
「3種類の長者」についてあなたともシェアしたいと思う。

その、「3とおりの長者(三長者)」とは、

(1)家の長者
(2)身の長者
(3)心の長者(★お釈迦さまは、これが一番良いと言われた)

である。

最初から1つずつ見てゆこう。

お金やものに恵まれた豊かな「家の長者」

「家の長者」とは、家や財産、お金やものに恵まれ、豊かな暮らしをしている
いわゆる、私たちが「長者」と聞いて思い浮かべる人のことだ。

ご存じのように、戦後焼け野原から今の日本を築くため、
ぼくらの先輩たちは、大変な苦労をして来られた。

かつて子供のあこがれは、「巨人・大鵬・卵焼き」の三つだったと大先輩から聞く。
野球選手になるなら強い「巨人」、力士なら強い「大鵬」。
まあ、「巨人」が今も強いかどうかは別として(ファンの方があったら失礼!・・汗)、ちょっと首をかしげるのが最後の「卵焼き」。

今や豊富に売られる「卵」は、どこのスーパーでも1パック200円ほどだろう。
赤玉とかヨード卵とかでさえ500円も出せば1パック手に入る。

しかし当時は高価で、なかなか子供の口には入らなかったというから、
そんな苦労話を聞くと、こんなに便利でモノに囲まれた恵まれた社会を作り上げてくれた諸先輩方に、心から敬意を表さずにおれないのだ。

もう、ぼくらは「家の長者」なのかもしれない。

1950年代、「三種の神器」と言われた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫。
それが60年代には、カラーテレビ、クーラー、自動車が「三種の神器」に。
今は小学生でも持っているスマホ。
テレビは昔みたいな奥行きのあるのでなくって、大きいのに薄型、しかも高画質。
洗濯機でも、はボタン1つで乾燥までやってくれる。

もしかしたらあなたも、「自分なんて長者とは縁遠い」、と思っておられるかもしれないが、
世界的に見たら、ぼくら日本人は、すでに世界で有数の「家の長者」なんじゃないだろうか。
そんな風に考えたら、感謝の気持ちが起きてくる。
はーあ、なんて、生あくびとため息ついてたらダメだな、なんて思ったりする。

世界に誇るぼくら日本人に根付いた「自利利他」の仏教精神

「働く(はたらく)」とは「端(はた=周囲)を楽(らく)にする」ことだから、
「他人の幸せのために努力する」こと。

東京五輪誘致で有名になった言葉、「オ・モ・テ・ナ・シ」
まさにこれが、ぼくら日本人に備わった、世界に誇れる
「自利利他(他人を幸せにするままが、自分が恵まれる)」の仏教精神じゃないだろうか。

東日本大震災で、みんながつらい時でも、日本には「助け合い」というインフラがあった。
そんなことに、海外のメディアが感動して報じたことも思い出す。

そんな、「自利利他」の精神に生きる人こそ、「家の長者」と恵まれるのだと、身にしみる。

「自利利他」の精神こそ、仏教の真髄だから、きっと当然なのだろう。