その失敗と向き合って、原因を見つめる。

日本の新幹線は、開通以来50年、
一度も、事故を起こしたことがないそうです。
数百キロで走り抜ける新幹線の、ポイント切り替えに、
1度でもミスが起きれば大惨事です。
新幹線の安全を支える日本の技術力には、敬服します。

しばらく前、中国の新幹線で脱線事故がありました。
高架を走っていた列車が地面に落下したのを、
そのまま、埋めてしまい、隠蔽しようとしていたことが、
映像で報道されて、問題になりました。

痛ましい事故が起きた背景には、必ず原因があってのことです。
その原因を、あきらかに見つめなさいと、言われたのが
お釈迦様でした。

仏教に、「諦観」という言葉があります。
なぜこのような結果が起きたのか、
「あきらかにみよ」、ということです。

「諦」という字は、本来「あきらか」という意味で、
「嫌なことは忘れてしまえ、なかったことにしてしまえ」、
というような、今日「あきらめる」という言葉が意味する
意味はありませんでした。

「諦観」と書いて「あきらかにみる」と読むのがなまって、
「あきらめる」になったと言われますが、
その意味までが変わってしまったのです。

誰でも失敗は嫌ですし、そのミスを指摘されたり、
問題になるのを好む人はありません。

しかし、その失敗と向き合って、原因を見つめなさいと、
教えられのがお釈迦様でした。

自分のどこが悪かったのか。
それは、深いところにあるから、自分を見つめて反省する。

脱線した新幹線の原因を追求せず、土に埋めるのは、
周囲の眼を気にして、ごまかしているだけです。

失敗をごまかす、消極的な姿勢は何の解決にもなりません。

私達にやってくる運命の原因は何か、あきらかに見なさいと教えられのが、
お釈迦様でした。

あなたのつらい心が、ふっとラクになるお釈迦様の智恵。
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