高校生の頃、世界史が好きでした。
どちらかというと古代史が好きだった私は、
特にオリエント世界に関心を持っていました。
全く今の私と異質の世界で、時空も異なる、しかしこの
地球上に、空前の帝国が存在していた・・・
そんなことを想像すると、わくわくしました。
今でも胸が高鳴ります。
受験が終わって、最初に行ったのは、
上野美術館に当時来ていた、古代アッシリア展でした。
アッシリアといえば、征服王朝として、
周辺国民から恐れられ、帝国を築きました。
やがて４分裂し、その後、オリエントを再統一したのは、ペルシャでした。
古代ギリシア史においても有名な、ペルシア戦争を戦った、
アケメネス朝ペルシアの王クセルクセスは、
崖の上に立ち、海と陸を埋め尽くす100万の軍隊を眺めたとき、
はらはらと涙を流し、
「私も、この軍隊も、みな100年後には誰一人いないのだ・・・」
と言ったといいます。
今も世界史上に燦然と刻まれる帝国の王といえども、
１人の人間として持つ感情は同じなのだと、どこか深い人間性を感じます。
ちなみに、この「オリエント」という言葉、
「日出づる方」という意味だそうです。
かつて、ローマ人は、「光は東方から」と言ったそうですが、
光とは、何でしょうか。
また、西洋哲学の起源であるギリシア哲学は、なぜ生まれたか。
それは、東洋から学んだから、というのは今日定説であるようです。
地中海文明は、アジアから学んで、ポリスを形成し、発展してゆきました。
商業による東洋との接触により、西洋哲学が生まれたと言われます。
「ギリシア人自身は、哲学が彼らの独創だとは考えていなかった。
彼等は哲学はギリシアの外部の起源、つまり一般には
東方から生じたものだと考えていた。」（ジュリア・アナス『古代哲学』）
また、哲学者ヘーゲルは、
「世界史は東から西へと向かいます。
ヨーロッパは文句なく世界史の終わりであり、アジアは始まりなのですから。」
（岩波文庫『歴史哲学講義』ヘーゲル著）
と述べています。
高校生の頃、AMラジオ810局のF.E.N.によく耳を傾けていました。
在日米軍向けの放送です。
とても早い英語で、何を言っているのかはわからなかったのですが、
その響きが好きだった私は、よく聞いていました。
F.E.N.とは、far east networkの略です。
さしづめ、「極東放送」といったところでしょうか。
世界地図を見ていると、いつも日本が真ん中にあるので、
日本を極東と言うことに、違和感を感じたことを覚えています。
「日いづる方」は東であり、中でも最も東、極東とは日本なのです。
日本人が、世界に発信できる、
本当に全人類に貢献できる何かを持つとすれば、それは何か。
今日、お釈迦様の教えられた教えを仏教と言われますが、
自覚するとせざるとにかかわらず、日本は仏教国です。
お釈迦様の教えは、私達の生活、そして、心に深く浸透しているのです。
わかりやすい１つの例を挙げれば、「自業自得」という言葉です。
これを、「じぎょうじとく」と読んだら、学校出直しです。
「業」の字を、「ごう」と読むのは、仏教独特の読み方であり、
お釈迦様の教えの根幹（入口）である、因果の道理を
一言で表した言葉なのです。
西洋で史上２番目のベストセラーは何でしょう。
それは、今から100年ほど前、1902年に書かれた
『原因と結果の法則』だと言われます。
著者のジェームズ・アレン（James Allen 1864～1912)は、
15才の時に強盗にあって父親をなくし、
大変苦労した末、晩年、急に19冊の本を書きました。
余り詳しいことは分かっておらず、イギリスの謎の哲学者とされますが、
その著作の驚くべき内容は、次の『原因と結果の法則』の「はじめに」に
あるように、「自分の心が自分の人生をつくりだす」という、
衝撃的なものでした。
「私たちは、自分自身が選び、めぐらしている思いによって、
自分の人生を創り上げています。心は、人格という内側の衣と、
環境という外側の衣の双方の、熟練した織り手です。」
これは、仏典を根拠とした東洋の思想を
学んだものだろうと言われているのです。
アインシュタイン26才の時に提出され、
科学の世界に革命をもたらした相対性理論は、
時間と空間は、切ってもきれない関係にあるというものでした。
現在、カーナビが正確な位置を表示するにも、不可欠です。
その天才物理学者アインシュタインは、物理的な考えを、
究極に突きつめていくと、仏教に説かれる概念と、
酷似したものがあると言っています。
また、「現代科学に欠けているものを埋め合わせてくれるものが
あるとすれば、それは仏教です」と言いました。
お釈迦様が、45年間で教えられたことは何か。
生きてゆくときに、一番大切なことは何か。
それを、知られるささやかな御縁となればと思っております。
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お釈迦様４５年間で何を教えられたのか。２時間でお話しています。
http://japan-buddhism.com/
