「火宅」の人生を襲う3つの”続かないこと”とは?

春風とともに、ビッグニュースをあなたへ

こんにちは。
実は今日は、東京に来ています。

今後、月に1度は東京へ来て、ご縁のあるところで法話ができればと。
気温が高くなったせいか、花粉が飛び始めている感じがします。
(注:花粉症で悩む多くの日本人のうちの、私も1人です・・・涙)

まあ、それはいいとして、今日は、ほっとなニュースをお届けします^^
なんと、知り合いがこのたび、出版をすることになりました~^^

これです↓↓^^
http://true-buddhism.com/item/fuan/


ということで、早速読ませてもらったのですが、読み終えて率直に感じたことは、
あなたがこの本を読むことは、仏教2600年の歴史をいっきに見通す、
すばらしい旅になる、ということだ。

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いや、もっとすばらしい体験ができるのだが、
それをシェアする前に、読んで、ぼくが仏教を聞き始めたきっかけを思い出したので、
せっかくだから今日はまず、そのことについてもあなたとシェアしたい。

あの、忘れられない”3つの事件”

その1つめは、阪神大震災、そしてオウムサリン事件。
これらは、ぼくの頭の中ではセットで記憶されている。

平成7年1月17日、早朝5時頃、関東に住んでいたぼくは、布団の中で微妙な揺れに驚いた。
しかしそれが大変な結果になっていることをあとから知らされた。
テレビを見て、まさに火の海とはこういうことを言うんだな、と知った。
どのチャンネルを回しても、しばらくニュースはそればかりだ。

ところが、それから2か月もたたない、3月11日、あの忌まわしい地下鉄サリン事件が起きた。
今度は、東京だ。
地下鉄の出入り口に、救急車やパトカーが駆けつけ、おびただしい人たちが担架で運ばれてゆくヘリコプターからの中継映像が、どのテレビのチャンネルも放映された。
これもしばらく、いつテレビを見てもこのニュースで持ちきりだった。

2つめは父の病気。
そんな阪神大震災と、サリン事件で騒がれていたその年の11月、 ある朝、朝食を終えた父が、食器を片付けようとしたところ、 突然、立ち上がることができなくなってしまった。

なんと、右足に血液を送る脊髄の血管が詰まってしまったのだ。 家族でいちばん健康で、大病を患うことはなかろうと言っていたのに、 まさか、突然右足の自由が利かなくなるとは。
実は今でも父は、右足が不自由だ。
父の入院先の病院を出て見えた夕暮れは、不安の色に染まっていた、 今も脳裏に焼き付いている光景。

3つめは、父の友人からの問いかけだった。
やがて、そんな父の病気も快方に向かい、受験を来年に控え、落ち着かない日々を送っていた。
そんな冬のある日、父の旧友が家に来ており、夕食をともにしていた時、酒に酔った勢いで、「おまえは将来何をやりたいのか?」と、と尋ねてきた。
「とりあえず大学に行って、4年間で考えることにしている」と答えたが、 酔っ払った真っ赤な顔で、 「おまえ、そんなこと言って両親を心配させちゃあ、いけない。 早くやりたいことを決めて、それから大学行くんだ!」 と、酒に酔った勢いか、だいぶ荒く言い放った。

だけどそこで、ぼくはかねてからの疑問が、心の中でいよいよ膨れ上がったのだ。

一度きりの人生、何をやったら、本当に後悔しない人生になるのか?
生きていく時に、一番大切なことは何か?
こんな重大な問いを、とりあえず決めてしまえと言うが、そんな簡単に答えが出るのか?

もし、20年なら20年、1つのことに取り組んだはよいが、
あとから後悔することになったら、誰が責任取ってくれるのか?
このおっちゃんが、責任とってくれるのか?
よほどそんなことは真剣に考えないといけないだろう、と思ったのだ。

人生を襲う3つの”続かないこと”

あなたの不安はどこから始まっていると思いますか?
意外かもしれませんが、「信ずる」ことからです。
(長南瑞生『不安が消えるたったひとつの方法』、P48)

 なぜこれを思い出したのかというと、
最初に紹介した本『不安が消えるたったひとつの方法』(長南瑞生著)によると、
人は何かを信じなければ生きて行けない。
しかし、この世は続かないものばかり。
だから、「不安」が生じるのだ。

その続かないものに3つあり、それが、物、人、自分の心だという。

「物」「人」「自分の心」、これらの3つの変化によって、
信じた瞬間から、すべてが色あせ、崩れていきます。
(長南瑞生『不安が消えるたったひとつの方法』、P58)

 確かにそのとおりだと思う。
たとえば、阪神大震災やサリン事件で味わった不安は、
まさに、目の前の物質文明の象徴が、がらがらと崩れてゆく「モノ」の無常を見せつけられたからだ。
2つめの、父の病気を通して、「人」というものが、いかに脆くできている現実を見た。
そして、父の友人からの問いかけで、「自分の心」の無常に、
不安を大きく感じるきっかけだった。

これらの3つの事件を通して、ぼくの心の中ですくすくと大きくなっていったのは、
そこはかとない、人生への「不安」だった。

親鸞聖人は、この世は不安の絶えない「火宅無常の世界」と説いた

「火宅」とは、火のついた家のことです。
隣の家が火事になって、自分の家のひさしに燃え移った時、不安でしかたがありません。
そんな家で仕事をしている人もなければ、ご飯を食べている人もないでしょう。
じっとしれいられないほど不安なのが、この世界だといわれています。
(長南瑞生『不安が消えるたったひとつの方法』、P62)

 何もが必ず崩れてゆくし、裏切られてしまう。
これは親鸞聖人は、『歎異鈔』に、「火宅無常の世界」と説かれた。
「無常」とは常がなく続かないこと。
これがゆえに、苦しみが生じるし、その苦しみを予感して、だから人生はちょうど、
火の付いた家にいるが如く「不安」が尽きないのだ、と説く。

「不安」とは実に”やっかい”だ。
「不安」から離れて、みな、安心して生きてゆきたい。
「不安」に眠れず悩む夜ではなく、安心して床につき、希望とともに1日を始めたい。

ところが、1日のストレスを「不安」とともに、そのまま布団へ持ち込み、
新たな今日への「不安」のため息とともに、慌ただしく出勤の準備をして、
今日も1日も始まった、という方は無いだろうか。

もしあなたの毎日がそんな日々だったら、この本はそんなあなたのためのものだ。

そして、そんな日々を繰り返した先に一体何が待っているのだろうか?

そんな疑問を、そんなそこはかとない「不安」をあなたも抱いたことは無いだろうか?
いや、もしかしたら今、抱いておられるかもしれない。

「不安」が消える、「たった1つの方法」?!

ブッダはこの不安が、どうすれば消えるかと旅をします。
その旅の答えを、本書に書き記しました。
(長南瑞生『不安が消えるたったひとつの方法』、P10)

 今日ご紹介したいこの本だが、『不安が消えるたったひとつの方法』というとっぴなタイトルに、「うそ~! ンなワケないや~ん」と、あなたもきっと思うだろうから、先に代弁しておく。

表紙をひらくと、かなり癒やし系なイラストとともに、
(たとえば、くまさんが本を読んでいたり、満腹の様子であるウサギ。
 あとは、キスする直前のアヒルとペンギン(?)、
 シメは、本を読んでいるか寝ているかわからないネコである。
 ちなみに、こういうのはぼくは全く嫌いで無い。
 むしろかなり好きなのだが、内容とのギャップにクスッとなる)

まず、内容がコンパクトに紹介されている。
これが、なかなかわかりやすい。

それで、「あ、けっこうゆるゆるな感じやな~」と思って読み進めてゆくと、
ぐいぐい話が進んで、ぐーっと引っ張られ、実は相当深いところまで踏み込んでいることに驚く。

もしかしたら、サラッと読んでいると気づかないかもしれないが、
相当、仏典、聖教を読み込まねば目にしないような根拠もチョロチョロ出てくるから、
根拠の裏付けはしっかり取られており、そんなことにも驚きつつ。

そして、あなたの人生全体をも覆う、やっかいな「不安」の原因と、その解決方法が、
しっかりと、鮮やかに結論まで書き切られている。

読み終われば「不安の消えるたった1つの方法」とは何か、あなたにも
はっきりとわかっていただけるだろうと思った。

生きている現在、一切の”不安”のもとが断ち切られる「平生業成」の教えが仏教

ブッダが説かれた「すべての人が本当の幸せになれる真理」とは、
どんな人も聞くひとつで「無明の闇」が断ち切られて絶対の幸福になれる
「平生業成」の教えであり、それこそが仏教の真髄なのです。
(長南瑞生『不安が消えるたったひとつの方法』、P163)

それは一言でいえば、このブログでも書いたけれども、「平生業成」の教えとなる。

これは、いわば仏教の教えを一言であらわした言葉だ。
それは、今、生きている現在、一切の不安のもとが断ち切られて、
未来永遠に変わらない本当の幸せのなれるということだ。

それにはどうすればよいのか、私達のとおるべき、その迷いやすい道もハッキリと示されている。

ここまで、克明に、かつコンパクトに私達の不安の原因を解き明かすところから始め、
その解決の法と道程まで、現代の言葉で明かした本など、無いのでないかと思った。

ここのブログで私が書いていることも、普段の法話で話していることもみな、
それ以外に無いのだが、なかなか専門用語を使わず、その意味を理解していただくことは難しい。

それが、仏教の「ぶ」の字も知らない人が読んでも分かる形で明確になされ、
整然と1冊にまとめあげられているのは、驚くほかない。

何しろ、その私の知り合い、といっても、今もお世話になる経験豊富な布教使の先輩だが、これまでインターネットの技術を駆使して、縁のある方に仏教を教えを知っていただくことに専念していた。
それがここ数年、出版も行うようになり、今回がその2冊目だ。

学生時代、アインシュタインに傾倒し、東大で物理学者を志した時、
出会った仏教になぜ筆者は心惹かれ、布教使の道に進んだのか。
これを読めば、あなたもその理由がうなずけるはずだ。

前作にもその精緻な構成と文筆に驚いたが、失礼ながら、
今回はさらに磨きがかけられた、と言うべきか。

このブログをお読みのあなたには、ぜひとも読んでいただきたい1冊だ。
特設ページが設置されているようなので、以下リンク。
http://true-buddhism.com/item/fuan/

ちなみに発売日は3月15日だから、もうまもなくなのでお見逃し無く。
アマゾンでも紹介されている。

ようやく寒い北陸にも、あたたかな春がやってきたようだ。
冷たい冬が終り、陽の光あふれる春に向け、新たな一歩を、お互い踏み出したい。合掌

 

PS
「オンライン法話」をご希望なされた方に、
なかなか日程が確保できずにご案内が遅れ、誠に申し訳ありません。
恐れ入りますが、もう少々お待ちいただきたく、よろしくお願いいたします。


PPS
おっと、もう1つ言い忘れていたが、
『不安が消えるたったひとつの方法』の出版記念セミナーが、近々行われる。
セミナー参加者のみの特典もあるようなので、これもチェックを忘れずに。